艶なしのペット用床コーティング、本当に滑りにくい?|選び方と注意点

presidentBlog030 1

– 床と暮らしのはなし Vol.30 –

艶なしのペット用床コーティング、本当に滑りにくい?|選び方と注意点

艶のない床で、愛犬と暮らしたい
「ワンちゃんが滑らないようにしたいけれど、床はあまりピカピカにしたくないんです」

最近、お客様からこのようなご相談をいただくことが増えています。
新築住宅では、木の質感を活かした自然な仕上がりや、落ち着いた雰囲気のフローリングが好まれるようになりました。
せっかく選んだお気に入りの床ですから、できるだけその風合いを変えたくないというお気持ちは、よく分かります。

一方で、愛犬のためには滑りにくい床にしてあげたい。
そんなご希望から、艶なしや半艶のペット用床コーティングを検討される方もいらっしゃいます。

今回は、艶なしペット用コーティングの仕組みと、選ぶ前に確認しておきたい注意点について、私たち自身の経験も交えながらお話ししたいと思います。

「艶なし=滑りにくい」とは限りません

床の滑りやすさは、見た目だけでは判断できません。
例えば、私たちがご提案している「愛犬の床」は、艶のある仕上がりですが、ワンちゃんの足元に配慮したグリップ性能を重視して開発されたコーティングです。

反対に、艶がなく自然な見た目であっても、十分なグリップ力があるとは限りません。
では、艶を抑えながら滑りにくさを高めるコーティングは、どのような仕組みなのでしょうか。

その方法の一つに、コーティング剤に細かな粒子(骨材)を加え、表面に微細な凹凸をつくる技術があります。
粒子によって光がさまざまな方向に散乱することで艶が抑えられ、表面の凹凸によって足元との摩擦を高める仕組みです。

ただし、すべての艶なしコーティングが、このような構造を持っているわけではありません。
艶を抑える方法も、滑りにくさを高める方法も、製品によって異なります。

大切なのは、艶の有無だけで判断するのではなく、実際にどのような性能を持っているのかを確認することです。

▶ Vol.10「艶あり・半艶・マット、どれを選ぶ?|お客様の暮らしに合わせた艶の考え方」

実は、私たちも開発を検討したことがあります

私たちも、5〜6年ほど前に、艶を抑えながらワンちゃんの滑りにくさを高めるコーティングの開発を検討したことがあります。
その際に検討したのが、コーティング剤に細かな骨材を加え、表面に微細な凹凸をつくる方法でした。

ペット用フローリングの一部に見られるエンボス加工のように、床の表面に凹凸を設けることで、ワンちゃんの肉球が滑りにくくなるようにするという考え方です。

しかし、数件のテスト施工を行う中で、気になる点も出てきました。
一つは、表面の凹凸に汚れが入り込むと、日常のお掃除では落としにくくなる可能性があること。
もう一つは、汚れを落とすために強く擦ることが増えれば、長年の使用によってコーティング表面が摩耗する懸念があることです。

艶を抑えながら滑りにくさを高められる点では、お客様のご要望に応えられる魅力的な方法でした。
しかし、お手入れのしやすさや、長く使い続けることまで考えると、私たちが目指す製品としては課題が残りました。
そのため、当時は製品化を見送るという判断をしました。

もちろん、これは私たちが検討した仕様での話です。
現在販売されている他社製品が、同じ課題を持っているという意味ではありません。使用する材料や表面構造によっても性能は異なります。

この経験を通じて改めて感じたのは、見た目の美しさや滑りにくさだけでなく、毎日の暮らしの中で使いやすいことも大切だということです。

暮らしの中での使いやすさを重視するということ

ペット用の床を選ぶとき、ワンちゃんの滑りにくさは大切な判断基準です。
ただ、その床で暮らすのはワンちゃんだけではありません。
小さなお子様がハイハイをしたり、ご家族が素足で歩いたり、床に直接座ってくつろいだり。
毎日の生活の中では、床に触れる機会がたくさんあります。

例えば、表面の摩擦が強い床では、製品や使用条件によって、次のようなことが気になる場合があります。

・ハイハイをするお子様の膝や手が、床との摩擦で赤くなる
・床に擦れる衣類に、毛玉や毛羽立ちが生じる
・足裏の皮脂や角質などが付着し、白っぽい跡として見える

これらは、すべての防滑コーティングで起こることではありません。
だからこそ、製品を選ぶ際には、滑りにくさだけでなく、日常生活での使いやすさや注意点も確認していただきたいと思います。

なお、床コーティングの滑り止め効果や、ワンちゃんによる効果の感じ方の違いについては、以前のブログで詳しくご紹介しています。

▶ Vol.18「床コーティングの滑り止め効果はどこまで?|犬などペットと暮らす家で知っておきたいこと」

私が「愛犬の床」をおすすめし続けてきた理由

艶のあるフローリングの上でくつろぐ愛犬

先日、愛犬と暮らすご家族が、ワンちゃんのために「愛犬の床」を施工された後の動画をYouTubeで拝見しました。
その様子を通して改めて感じたのは、飼い主様が大切にされているのは、床の艶感だけではなく、愛犬が毎日を安心して、快適に過ごせる住環境を整えることなのだということです。

私が「愛犬の床」の営業を始めてから、15年以上が経ちました。
その間、「愛犬の床」はお客様の声をもとに改良を重ね、現在の塗料はバージョン4となりました。
私たちが大切にしてきたのは、ワンちゃんの足元に配慮したグリップ性能だけでなく、日々のお手入れのしやすさや、ご家族にとっての使いやすさです。

どのようなコーティングでも、すべてのワンちゃんの滑りを完全に防げるわけではありません。
もちろん、体重や活動量によっては、コーティング表面に傷や摩耗が生じることもあります。
そうした特徴も含めてご理解いただいたうえで、ご家庭に合った製品を選んでいただきたいと思っています。

私が大切にしたいのは、艶のある床をおすすめすることでも、艶のない床を否定することでもありません。
見た目の好みも、愛犬のための滑りにくさも、どちらも大切なことだと思っています。

だからこそ、私たちは一つの性能だけを追い求めるのではなく、毎日の暮らしの中で無理なく使い続けられる製品であることを大切にしてきました。
今回ご紹介した開発検討の経験も、その考え方につながっています。

見た目の美しさだけでなく、実際に暮らしてみたときの使いやすさまで考えて選ぶこと。
それが、ペット用床コーティングを検討される皆様に、私からお伝えしたいことです。


【次回予告】
次回は、
Vol.31 床コーティングの品質を支えるのは「人」|私が施工スタッフに寄せる信頼
をお届けします。

床コーティングの仕上がりを左右するのは、コーティング剤の性能だけではありません。
その品質を支えているのは、日々技術を磨き、一つひとつの現場に真剣に向き合う施工スタッフたちです。

次回は、普段はなかなか見えない職人たちのこだわりや、私が施工スタッフに寄せる信頼についてお話ししたいと思います。

■ ショールーム展開・重点エリアの施工実績・詳細はこちら

【関東エリア】

【全国主要・ショールームエリア】

エコプロコート代表

この記事の執筆者

エコプロコート株式会社 代表取締役

このブログでは、フロアコーティングという仕事を通して見えてきた「床の保護」と「暮らし」について発信しています。14万件以上の施工実績に基づくプロの視点で、大切な床材を長期間守るための正しい知識や、お客様からいただいたリアルな声をお届けします。

スマホから最短1分で完了

床コーティングの無料見積り・ご相談
ページTOPへ